電通総研が実施した、60歳以上のシニアに対する就労状況調査で、男性の約72%、女性の約55%が定年後も働き続けていることがわかった。ただし、60代後半では「働いている」割合は男女とも大幅に低下(男性36.5%、女性28.6%)。60代前半と比較すると男女とも「健康」「最低限の収入」「時間的なゆとり」「趣味の充実」を優先する生活に移行する傾向がみられた。
60代シニアの就労状況は以下のとおり。
60代前半と後半が考える仕事選択のポイントは以下のとおり。
なお、1か月の平均手取り収入額は、男性60代前半で24.9万円、同60代後半で18.8万円。女性60代前半で11.9万円、同60代後半で11.1万円。
「思ったよりも手取り収入が少ない」と考える人が約半数(46.6%)いる一方で、理想の働き方は60代男女全般として「給与は少ないけれどものんびり働く」(男性60代前半27.7%、同60代後半29.7%、女性60代前半31.8%、同60代後半27.8%)が上位となっており、特に女性は「パートタイムで比較的自由に働く」(女性60代前半45.7%、同60代後半37.5%)が最多で「自由」を優先したい様子がうかがえる結果となっている。
この調査は、同社が「働く」をテーマに異なる層を対象にして調査を実施するシリーズの一環。「シニア×働く」調査の対象者は、50代後半に就労した経験をもつ60~69歳2600名。対象エリアは首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、関西圏(京都府、大阪府、兵庫県)、中京圏(岐阜県、愛知県、三重県)。調査期間は2015年3月21日から25日まで。