みずほ総合研究所は「2016年夏季ボーナスの見通し」で、民間企業の一人当たりボーナス支給額は前年比0.7%増と増加するとの予測を発表した。2015年は調査のサンプル替えが行なわれた影響で、統計上では2.8%減となったが、その影響を除いた実勢としては1.2%増だったとみずほ総合研究所では試算しており、3年連続の増加となる見込み。
支給月数も昨年の1.020か月から1.022か月へとわずかだが増加する見込み(毎月勤労統計調査ベース)。堅調な雇用情勢を背景にボーナス支給対象者数も増加するとし、その結果、民間の支給総額も、前年の実勢3.3%増よりは低いものの、2.5%増の3年連続の増加となる見通しだ。
産業別で支給月数を見ると、製造業が2.70か月、交通運輸が2.67か月、情報・出版と金融・保険がそれぞれ2.25か月で続く。伸び数で見れば、サービスホテルが0.08か月増(1.73か月)と最も高く、次いで、製造業、交通運輸、情報・出版の0.07か月増が続く。
一方、公務員の一人当たりボーナス支給額は前年の4.1%増からは低下するものの、2.8%増とプラスとなる見込み。国家公務員の月例給が0.36%増額されたほか、支給月数も前年1.975か月から2.025か月に引き上げられたことがその要因。地方公務員も国家公務員に連動させる自治体が多いという。ただし、地方自治体では行政改革による定員数の削減により支給対象者が減少することから、支給総額は2.5%増となるものの、昨年ほどの伸びにはならないと見る。
みずほ総研では、実勢の支給総額の伸び率が今夏よりも高かった2014年、2015年も個人消費の明確な回復に繋がらなかったことを踏まえ、今夏のボーナスも個人消費の起爆剤になるとまで言えないとの見解も示した。