トラベルコマース・プラットフォームのトラベルポートは、「トラベルポートLIVEアジア太平洋カスタマー・カンファレンス2016」をマカオで開催。23カ国から旅行会社、OTA、航空会社、サプライヤーなど約360名が集まった。会議のテーマは「Redefining Success (成功の再定義)」。モバイル、OTA、LCCを含めた航空会社などの将来について、活発な議論が展開された。 *写真:トラベルポートアジア太平洋地区マネージング・ディレクターのマーク・ミーハン氏
トラベルポートアジア太平洋地区マネージング・ディレクターのマーク・ミーハン氏は開会の挨拶で、アップルの成功を例に出し、「素晴らしい製品があっただけでなく、消費者の経験を変えようという情熱があった」と話し、旅行業界でも成功の再定義が必要だと強調した。また、アジア太平洋では中間層が急増しているなか、モバイルをはじめとするテクノロジーの浸透も進んでいるとし、「消費者はより多くの選択肢を求め、パーソナライズされたサービスも求めている」と指摘した。
航空については、アジア太平洋地域の旅客は数年後には現在の倍になるとの予測のなか、航空会社は旅客収入に加えて、「アンシラリーサービス(付帯サービス)による収益を増やしていくだろう」と話した。2016年のアンシラリーサービスやマーチャンダイズの収益は世界全体で590億米ドルになるという試算も紹介。「特にアジア太平洋地域では航空会社にとって重要な収益源になる」と付け加えた。
トラベルポートは、この会議に合わせて、日本でも「トラベルポート・スマートポイント」の展開を開始したことを発表した。トラベルポート・スマートポイントは、トラベルポートが8億3000万ドルの巨額を投じて構築したトラベルコマース・プラットフォームにアクセスするための次世代デスクトップツール。従来のGDSの枠を超え、旅行会社が顧客向けに航空券、ホテル、レンタカーなどをワンストップで提供できるソリューションで、その豊富なコンテンツとビジュアルを最適化したインターフェイスと操作性は、「旅行会社の業務のストレスを解消し、時間的にもコスト的にも効率化に貢献する」(ミーハン氏)と期待されている。
現在スマートポイントで扱われている航空会社はエアアジアなどのLCCも含め約160社。取り扱うホテル軒数については、世界大手OTAらに次ぐ世界で4番目の規模を目指す。現在は英語のみだが、まもなく日本語での提供も始める予定だ。