世界の国際観光収入、2015年は3.6%増の1.2兆ドル、米州・アジア太平洋・中東は4%増に ―UNWTO

国連世界観光機構(UNWTO)の世界観光指標(World Tourism Barometer)2016年5月号で、2015年の国際観光が創出した総輸出収入は前年比4%増の1兆4000億米ドル(1日平均40億米ドル)となった。このうち、宿泊、飲食、娯楽、ショッピング、その他財・サービスなどから得られた国際観光収入は1兆2320億米ドルで、為替・物価変動を考慮した実質成長率は3.6%増。国際観光客到着数(1泊以上)は4.4%増の11億8400万人だった。

今回発表された国際観光収入額は、世界の輸出額の7%、サービス部門の輸出額の30%を占めるもの。世界貿易機関(WTO)によれば、財・サービス輸出全体の6~7%に相当する額で、4年連続で世界の商品貿易よりも高い成長になったという。

地域別で最も国際観光収入が多いのは、アメリカ(1780億米ドル)、中国(1140億米ドル)、スペイン(570億米ドル)、フランス(460億米ドル)。地域別では米州、アジア・太平洋、中東の国際観光収入は約4%増、ヨーロッパが約3%増、アフリカが約2%増となり、為替相場の変動が大きな影響を与える結果となった。

地域別の前年比比較は以下のとおり。国際観光客到着数の伸び率が赤色、国際観光収入伸び率が青色で示されている。

UNWTO:報道資料より

一方、送客市場として成長が目覚ましいのは中国、アメリカ、イギリス。特に中国は2004年以来2ケタの伸びを示し、2015年の支出は25%増の2920億米ドルを達成。世界のアウトバンド旅行者数全体の1割以上を占める1億2800万人の中国人による観光旅行が寄与。特に日本やタイなどのアジア、アメリカ、ヨーロッパの観光収入に大きな恩恵を与えた。

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