国土交通省国土交通政策研究所は「持続可能な観光政策のあり方に関する調査研究」の中間報告を取りまとめ、機関誌「PRI Preview 71号」(2019年冬期)で発表した。
同研究所では世界各国で、オーバーツーリズム(多数の観光客の来訪や急増による地域への影響)が課題になりつつある中、観光政策の重要な観点になりつつあるとして、昨年度から国内外における発生状況や対策等の調査を実施してきた。
中間報告では2018年度に実施した国内市町村へのアンケート調査や国内4地域の現地調査結果の一部を紹介。アンケートでは、対象自治体の約4割で混雑やマナー、観光危機管理、宿泊施設の不足等を、約2割で観光開発等による自然や文化、景観・町並みへの影響を課題として認識している結果となった。
現地調査では、住民の視点を含めた観光ビジョンの明確化や地域独自の指標に絞り込んだモニタリングの実施・検討が行なわれていたり、管轄/生活エリアの観光産業との関わり、観光による裨益の実感などによって認識が異なるといった実情も把握した。こうした調査を踏まえ、住民が観光メリットを実感することや、日帰り客や外部資本の増加によるリーケージ対策として、地元産品の開発・活用と域内調達率の向上が課題になっているとも指摘する。中間報告は以下に掲載。