国連世界観光機関(UNWTO)は2019年9月10日、ロシアのサンクトペテルブルグで開催された第23回総会でスペインのサンセバスチャンに公共政策/統治部門の2019UNTWO賞を授与した。今回で15回目となるこの賞は、サステナブル観光政策で具体的な成果を挙げたことを評価したもの。授賞式には同市および同地域の行政機関のほか、NGOや民間会社の代表者が招かれた。
最終選考には、カナダ、コロンビア、インド、イタリア、スペイン、スイス、フィリピンのサステナブル観光政策の取り組みが残った。観光の専門家8名から構成される選考委員会は、審査の結果、サンセバスチャンの「Love San Sebastian, Live Donasite」を受賞政策に選んだ。
また、民間部門ではインドのV Resorts が推進する「Community Impact by V Resorts」が最高賞を受賞。さらに、NGO部門ではスペインのFundación Onceが受賞した。
UNWTOのスラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は授賞式で、「サンセバスチャンは、地域の文化遺産を保護し、同時に観光化してうえで、持続化可能で効果的な取り組みをしている」と評価した。
このほか、15回目となるUNWTO賞ではアクセシブルツーリズム・デスティネーション(ATD)に対する取り組みへの表彰も新たに設定した。第1回の受賞者はツーリズム・ポルトガル。過去10年にわたって、インフラ、サービス、プロダクトの面でアクセシブルツーリズムを推進してきたことが高く評価された。
また、アクセシブルツーリズムの特記すべき取り組みとして、都市観光ではデスティネーション・バルセロナ、新興デスティネーションではインド・ケーララ州トリチュール市が選ばれた。