国連世界観光機関(UNWTO)理事会は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシアの加盟停止を採決する臨時総会を開催することを決定した。2022年3月8日にマドリードで開催された理事会で、複数の加盟国からの要請を受けて決めたもの。UNWTOが、加盟国の資格停止を話し合うのはこれが初めて。
UNWTOでは、ウクライナ侵攻は、国連憲章とは相容れず、「経済発展、国際理解、平和、繁栄、人権に対する普遍的な尊重と遵守に貢献することを目的として、観光の促進と発展を進める」と記されているUNWTO規約第3条に違反しているとの立場を取っている。
UNWTOのズラブ・ポロリカシュビリ事務総長は、「戦争は決して解決策にはならない。今も、そしてこれからも。UNWTOは、組織の総意として、このことを明確に示す必要がある。加盟国である限り、このルールを遵守し、この価値を共有する必要がある」とコメントしている。
UNWTOは、国連総会と国連人権委員会の決議を全面的に支持。「国際的に認められたウクライナの主権、政治的独立、領土保全は守られなければならない」としている。