ハワイ州観光局日本支局(HTJ)局長のミツエ・ヴァーレイ氏が、2025年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。
ヴァーレイ氏は、観光業の未来を見すえた中長期戦略を踏まえながら日本市場の着実な回復を目指し、重要性を守るため、2025年は再生型観光の推進、ファーストタイマー誘致、隣島の魅力を再構築するアイランドブランディングに注力すると言及。とりわけファーストタイマー誘致については、ハワイはリピーター率が高いとはいえ、日本市場の持続性のためには新しいファン層の開拓が重要であり、取り組みを強化するとの方針を示した。
具体的な施策としては、オウンドメディア刷新やデジタルマーケティング強化によって、ハワイ旅行の動機付けを明確にするとともに、旅行業界との連携、33の姉妹都市との関係を通じて次世代の文化交流にも力を入れたいとしている。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
年頭所感
新年、明けましておめでとうございます。
ハワイ州観光局 日本支局を代表し、皆様の日頃のご支援に深く感謝申し上げます。
2024年は、ハワイ観光産業は米国本土からの「リベンジ旅行」の高まりにより、コロナ禍前の水準まで回復を遂げた年でした。一方で、国際市場の回復は依然として緩やかであり、日本市場も同様の課題を抱えていました。その中で、ハワイ州観光局 日本支局は中長期戦略とともに短期的なリカバリー戦略も掲げ、日本の旅行業界の皆様との連携、販促キャンペーンや啓発活動を通じ日本人の海外旅行需要を喚起しながら、ハワイの魅力を再認識してもらうことに注力をして参りました。
2025年は、新しいアメリカ大統領を迎え、政治的・経済的な不透明感もある中、観光業の未来を見据えた中長期戦略に注力しつつ、日本市場の着実な回復を目指します。ハワイにおける日本市場の重要性を守り、新しい観光のあり方を実現するため、以下の重要項目に取り組んで参ります。
再生型観光の推進
環境保全や文化継承に貢献する「再生型観光」を具現化する商品開発や教育ツーリズムを推進します。地元住民との連携を深め、ツーウェイツーリズムを意識して日本国内の姉妹都市やDMOとの情報交換も積極的におこなって参ります。
ファーストタイマー誘致
リピーター率の高いハワイですが、日本市場の持続性を考慮するとファーストタイマー及び新しいハワイファン層の創出を促進していくことは重要であると認識しています。日本市場においてハワイを訪れるきっかけを提供し、初めてハワイを訪れる旅行者を増やす取り組みを強化します。教育マーケットでは、修学旅行に留まらず、旅行自体がすでに学びの場であることを諭し、ハワイの自然、歴史、文化を通じて新たな価値を提供します。
アイランドブランディング再構築
隣島の魅力を再構築し、ターゲットに合わせたメッセージの最適化とコンテンツ戦略を通じて、ハワイ旅行の新しい価値と体験を広く伝えます。
2025年は、オウンドメディアの刷新やデジタルマーケティングを強化し、ハワイ旅行の動機付けを明確にして参ります。また、旅行業界と連携し、ハワイのポジショニング強化を目的とした販促キャンペーンや新しい施策を展開し、日本市場の回復を目指します。さらに、33の姉妹都市との関係を通じて、日本とハワイの絆をより深め、次世代の文化交流にも注力していきます。
ハワイは、旅行業界の皆様と共に未来を創り上げる場所です。旅が持つ力や人生に与える影響を、ハワイを通じて改めて表現し、多くの方にその素晴らしさをお伝えしたいと考えております。今年も、皆様のご支援を賜りながら、ハワイはいつも旅行者を温かく迎える場所として、心に残る時間を提供して参ります。
2025年が皆様にとって素晴らしい一年となりますようお祈り申し上げます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
ハワイ州観光局 日本支局 局長
ミツエ・ヴァーレイ