バルセロナ、観光客向け民泊を禁止に、スペイン憲法裁判所が認める判断、市中心部以外でのホテル建設を促進

写真:ロイター通信

スペインの憲法裁判所は2025年3月13日、観光客向けの短期宿泊賃貸(いわゆる民泊/STR:short term rental)を2028年まで禁止するというバルセロナ市の計画を支持、私有財産所有者の権利を侵害していると主張する控訴を退けた。バルセロナ市はスペインで初めて、家賃高騰に対処する方法として、STRを禁止することを決めた。

バルセロナ市は、今回の裁判所の判断を受けて、2028年以降もSTRの登録許可をしないと発表した。

2024年には過去最多となる9400万人の外国人旅行者が訪れたスペインは、主要な収入源である観光の維持と、住宅市場から締め出されていると訴える地元住民のニーズとのバランスに苦慮している。

バルセロナ市のジャウメ・コルボニ市長は昨年6月、2023年に採択された地方住宅法令に基づいて、短期宿泊賃貸アパート1万戸以上の免許を廃止すると発表。これに対して、憲法裁判所は「観光客向け賃貸に関する地方条例は「財産権の抑圧には当たらない」と判断した。

Airbnbは、STRの取り締まりは、ホテル業界に利益をもたらすだけと、コルボニ市長に再考を促していた。また、STRの業界団体「欧州ホリデーホーム協会」も欧州委員会に苦情を申し立ていた。

バルセロナ市は、観光客向けSTRの禁止が施行されたのち、中心部以外の地域で観光客向けの宿泊施設として新たなホテル建設を進めていく考えだという。

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

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