
JALグループは「2021-2025年度 JALグループ中期経営計画」の取り組み完遂に向けた「ローリングプラン2025」を策定した。また、2026年度以降の中長期的な成長の方向性についても示した。
業績については、2024年度の通期連結業績EBITを当初想定通り1700億円を予想。2025年度は、海外需要の取り込みによる国際線の成長、国内線の収益性の改善、マイル、ライフ、インフラ領域の拡大などによって、昨年度発表したEBIT2000億円の達成を目指す。
また、経営目標として掲げている「安全・安心」「サステナビリティ」「財務」のすべての項目について、最終年度である2025年度で事業領域横断の取り組みをさらに推進し、事業運営のサステナビリティを向上していくとしている。
2026年度以降の目標については、2028年度にEBIT2300億円の達成と企業価値の向上を目指す。中長期的には、今後、顕在化する社会課題を新たなニーズと捉えて、新領域での事業創出にも積極的に取り組み、その実現に向けて、顧客戦略、人財戦略、DX戦略を事業横断で推進していく。
さらに、成長性・資本効率(ROIC)の高い領域へリソースを重点的に配分するとともに、生産性の向上に取り組む。国際線はフルサービスキャリア、LCCを合わせて規模を拡大し、国内線では需給適合と生産性の向上によって、収益性を向上させる。また、マイル、ライフ、インフラ領域は、サービス拡充を通じた顧客層の拡大、インバウンド需要の成長に合わせた受託事業を拡大させる。
それにより、2028年度のEBITをフルサービスキャリアは2025年度比11%増の1300億円、LCCは同58%増の300億円、マイル、ライフ、インフラ領域は同9%増の700億円を見込む。
新たにボーイング787-8型機17機の追加導入を決定
また、JALは、生産性向上の一環として、新たにボーイング787-8型機17機の追加導入を決めた。すでに、国内線を中心に運航しているボーイング737-800型機の更新機材として、2023年3月に確定21機を発注しており、今回の追加で計38機を導入することになる。
国内線では、ボーイング767型機の更新機材として導入を決定済みのエアバスA321neo型機11機を羽田発着路線を中心に投入する。
国際線では、ボーイング787-9型機10機、A350-900型機20機を導入。ZIPAIRではJALからの機材配転によって787-9を導入する。
これにより、2030年度には、フルサービスキャリア、LCCを合わせ、国際線の事業規模を2023年度対比約1.5倍に拡大。今後、成長が見込まれる北米・アジア路線を中心に、便数を増加させるとともに、提供座席数を増やすことで、サービス品質および利便性を高め、事業規模をさらに拡大させていく計画だ。