2013年8月1日に観光庁長官に就任した久保成人氏は、長官としての自身の抱負をコメントした。まず、観光業について「注目すべき分野であり、特に経済の面では重要な成長分野」ととらえ、アジアをはじめ、世界全体で増大する観光需要を取り込むことで「地域活性化や雇用機会の増大など経済全体の活性化につなげるため、しっかり取り組んでいきたい」としてインバウンド政策の強化に注力する方針を明らかにした。これは、2013年8月21日に行われた就任後初の定例会見での発言だ。
インバウンド市場においては、7月の訪日外国人旅行者数が単月として初めて100万人を突破。1~7月の累計でも過去最高の595万7700人となっている。会見で久保長官は、「夏の旅行需要の高まりを背景に、年初から切れ目なく実施してきた訪日プロモーションが功を奏するとともに、円高の是正による割安感を強調した広告や、航空座席供給量の増大等により、中国を除く各国で着実に増加した」とこれまでの取り組みを評価。今後は、「訪日外国人旅行者数1000万人」及び「東南アジア訪日100万人」の目標達成に向け、「東南アジア向け観光ビザ要件の緩和による効果を最大限に引き出すための集中的なプロモーション、中国人観光客の回復に向けた取り組み、受入環境整備の一つである道路や美術館、博物館、自然公園等における多言語対応の改善について取り組みを強化していく」とした。たとえば、世界遺産登録された富士山を活かしていくための検討など、観光地の魅力づくりのための取り組みなども積極的に行う考えだ。