トリップアドバイザーは、旅行観光業の将来に関するボストン・コンサルティング・グループとの共同レポート「成長する億人規模のアジア人旅行者を獲得するには――まずは中国から」を発表した。このなかで、最近の中国人旅行者の旅行動向として、遠距離方面の人気が増加し、嗜好が多様化していることを指摘した。
トリップアドバイザーの中国語版サイトdaodao.comで、2013年7~8月に国外の旅行先を検索した中国のユニークユーザー数は、前年比250%以上に増加。その44%がローマやロンドンなどアジア地域外のデスティネーションを検索している。また、ボストン・コンサルティング・グループの調査では、若い富裕層が今後5~10年間で訪れたい旅行先に挙げた80%がアジア域外で、モルディブや米国、ギリシャ、オーストラリア、イタリアなど多様なデスティネーションを選択。観光やリラクゼーション、ショッピングのほか、アウトドアアクティビティやアドベンチャーを求める旅行者も増えているという。
また、若い富裕層の旅行計画や手配における特徴も指摘。例えば、中国人旅行者は格安商品を好み、早期の休暇計画が一般的でないため、欧米の同世代よりも決断が早く、旅行の計画時間も短い傾向があるという。手配面では現地到着時の支払いを希望し、旅行経験の浅い人々は国内のオンライン旅行会社を、経験豊富な人々は海外のオンライン旅行会社や直接予約を利用。ホテル選択では「立地、清潔さ、料金」を重視し、客室には「室内無料Wi-Fi、エアコン、中国茶、スナック菓子、インスタント麺」を望んでいるという。
このほかトリップアドバイザー・チャイナでは、中国語が話せるスタッフやガイド、写真掲載のメニュー、中国銀聯カードへの対応など、中国人旅行者が安心できるサービスも重要としている。