大阪市内の商店街、中国人観光客の売上が1割強に、「増加していると実感」は4割超 -大阪商工会議所

大阪商工会議所が、主に「船場~なんば」「天王寺・あべの」地区の商店街、商店会、地下街などの小売店、飲食店を対象に実施した訪日外国人観光客に関するアンケート調査で、中国人観光客の売上に占める割合が11.3%(2013年度:6.5%)に拡大したことが判明した。「5%未満」が約4割で最多だが前年よりも14.9ポイント縮小し、「10~20%」未満が17.4%(3.8ポイント増)など10%以上とする回答が増加。「50%以上」も昨年の0.5%から5.4%に拡大している。

外国人観光客の客数と売上が「増加傾向にある」(15.0%)・「やや増加傾向にある」(35.4%)との回答は、あわせて50.4%(昨年よりも9.5ポイント増)に拡大。特に中国人観光客に限ると45.7%(18.3ポイント増)と増加傾向を実感する店舗が多い。中国人観光客には、64.2%が「何らかの対応をしている」と回答。「銀嶺カードによる決済」が36.0%で最も多く、「指さし票、コミュニケーションカードなどの活用」(25.6%)、「中国語による接客」(24.3%)など言語対応が多く見られたほか、5番目には「携帯端末の活用」(13.3%)、6番目には「免税手続きサービスの実施」(12.3%)が入った。

今後も、中国人観光客を歓迎する意向は79.8%と高く、そのうち、「積極に誘客して迎えたい」は22.3%(6.5ポイント増)に増えたが、「特別な取組みはしないが迎えたい」が57.5%と半数を占めている。「外国人観光客が地域の買い物消費を拡大している」(55.0%)も昨年より14.4ポイント増加したものの、免税店販売については、「実施していない」(70.5%)が7割を占めており、その理由として「必要性を感じないから」(36.5%)、「生産、事務手続きが面倒だから」(16.0%)、「申請手続きが煩雑だから」(13.3%)が続いた。

行政や商工会議所に期待する対応としては「複数言語のパンフレットの作成やアプリの 開発」(75.2%)、「複数言語のサイン・案内板の整備」(52.0%)など、言語対応に関するものが多いが、4位に入った「WiFiなど無線LAN環 境の整備」(27.7%)は、昨年の18.9%から8.8ポイント増加し、年々要望が拡大している。


記者発表資料より

▼ムスリム観光客への対応

一方、ムスリム観光客の客数・売上げについては、「あまり変わらない」が50.0%と前年よりも拡大。「イスラム教徒独自の生活習慣やルールを守ったサービスを提供しているか」の問いでは、「ある程度対応している」が6.0%にとどまり、「対応していない」が74.0%と多勢を占めた。今後は67.2%が歓迎の意を占めており、そのうち6.6%が「積極的に誘客して迎えたい」としている。

調査は2014年11月4日~28日まで、大阪市中央区・浪速区・阿倍野区・天王寺区・西成区・西区各区内の主な商店街・商店会・地下街など、52商業組織の加盟小売店、飲食店など5279店を対象に実施。有効回答数は864点だが、質問によって回答店舗数が異なる。


※参考 中国人観光客に人気のある商品(記述式回答)

  • 【衣料】ブルゾン、ダウンジャケット、ニット、子供服、下着(ブラジャー、 ショーツ)、タイツ・ストッキング
  • 【コスメ、薬品】資生堂化粧品(クレ・ド・ポー ボーテ等)、コーセー(雪肌精等)、マックスファクター(SKⅡ等)、DHC(クレンジングオイル、リップクリーム等)、FANCL、美容液、洗顔料、日本製化粧品全般、市販薬(アリナミンEX等)
  • 【靴、装身具】スポーツシューズ・スニーカー(ナイキ、ニューバランス、オニツカタイガー等)、バッグ、時計、アクセサリー
  • 【食品】抹茶味の食品、チョコレート・チョコレート菓子、和菓子、果物、日本酒、ウィスキー、出汁昆布
  • 【雑貨、その他】パソコン・携帯端末(i-pad等)スマートフォン、調理器具(包丁等)、ステンレスボトル・ジャー(サーモス、象印、タイガー)、工芸品(鉄瓶、 陶器、和柄の雑貨等)、キャラクターグッズ
  • 【飲食】麺類(ラーメン、ざるそば等)、寿司、刺身、丼もの(カツ丼、親子丼、 うな重・うな丼等)、カレー、揚げもの(トンカツ、串カツ、天ぷら等)、粉もの (お好み焼き等)、肉類(焼肉、しゃぶしゃぶ等)

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