観光庁は、主要旅行業者49社の旅行取扱状況速報(2015年6月分)を発表した。それによると、海外、国内、外国人旅行を合わせた6月の総取扱額は、4995億1969万円(前年比増減0%)だった。海外旅行は前年比11.9%減の1620億1212万円、外国人による訪日旅行は同38.6%増の116億4131万円、国内旅行は同6.0%増の3258億6626万円となっている。
旅行会社別、海外旅行取扱額上位5社の直近12か月推移比較グラフは以下のとおり。上位5社(JTB、H.I.S.、阪急交通社、KNT-CT、日本旅行)がそろって前年比が2桁マイナスとなっている。
旅行会社別、外国人旅行(訪日旅行)取扱額上位5社の直近12か月推移比較グラフは以下のとおり。前月同様に1位JTB、2位日本旅行、3位H.I.S.、4位KNT-CTとなった。5位には楽天が浮上し、拮抗する東武トップツアーズが6位にランクされた。伸び率では、H.I.S.が115.3%増で前年の2倍以上を記録したほか、楽天も76.9%の大幅増となっている。
旅行会社別、国内旅行取扱額上位5社の直近12か月推移比較グラフは以下のとおり。上位5社(JTB、KNT-CT、楽天、日本旅行、ANAセールス)はそろって前年比プラス遷移となったほか、KNT-CTは2014年11月以来7か月ぶりに2位に復活。楽天は前年比13.9%の大幅な伸びを見せたものの3位となった。5位ANAセールスと6位阪急交通社は引き続き拮抗しているが、直近2か月間は同順位となっている。
なお、東武トラベルとトップツアーの合併により、2015年4月度から当統計の対象となる企業数は合計49社となっている。また、2015年4月より阪急交通社の実績はグループ3社(阪急交通社、阪急阪神ビジネストラベル、阪神トラベル・インターナショナル)の社内取引を相殺した数字が採用されている。
旅行商品ブランド全体の取り扱い状況
旅行商品ブランド(募集型企画旅行)では、6月の総取扱額は1153億6828万円で前年比5.5%減、取扱人数合計も同3.9%減の256万9645人とマイナスに転じた。
そのうち、外国人旅行は同31.8%増の4億7186万円、国内旅行は同3.5%増の678億8129万円でいずれもプラス遷移。一方、海外旅行は前年比16.3%減の470億1513万円だった。取扱人数は海外旅行が前年比15.7%減の21万824人、外国人旅行は同49.7%増の2万8747人、国内旅行は同3.1%減の233万74人となった。
外国人旅行では人数の伸びに対して取扱高の伸びが低めとなっている一方、国内旅行では人数の前年比3.1%マイナスに対して取扱高は3.5%プラスを記録した。
方面別の全体傾向
旅行会社へのヒアリングによれば、外国人旅行では引き続きビザ緩和策の奏功などにより東アジアや東南アジアからの旅行者増が継続、国内旅行でも引き続き関西・北陸方面が好調となった。海外旅行ではヨーロッパ方面の落ち込みの影響により引き続き低調となっている。
(トラベルボイス編集部)