日本の広告費2015、インバウンド狙いが追い風、屋外では観光庁も増加、ネットは2ケタ成長に -電通

電通は、日本の総広告費と媒体別・業種別広告費を推定した「2015年日本の広告費」を発表した。これによると、2015年の日本の総広告費は前年比0.3%増の6兆1710億円と微増となり、4年連続で前年を上回った。

新聞広告費(6.2%減・5679億円)、雑誌広告費(2.3%減・2443億円)、ラジオ広告費(1.4%減・1254億円)、テレビメディア広告費(1.2%減・1兆9323億円)をあわせた、「マスコミ4媒体広告費」は2.4%減の2兆8699億円で、いずれも前年を下回った一方、インターネット広告費は10.2%増の1兆1594億円と2ケタ成長。スマートフォンや動画、アドテクノロジーを活用した広告が堅調で、全体を牽引した。

成長要因について電通では、スマートフォン広告市場の継続的な拡大や動画広告市場の急成長に加え、プログラマティック広告取引(オーディエンスデータに基づいて自動的に広告枠の買い付けを可能にする取引形態)の浸透が進んだことを指摘する。内訳では枠売り広告は減少し、運用型広告にシフト。アフィリエイトも堅調に推移した。

最近では、限定された売り手と買い手が自動広告取引に参加する「プライベート・マーケットプレイス」の活用も広がり始めたほか、ユーザーの位置情報や地域情報、行動ログなどのデータをもとにターゲティングする新しい広告配信モデルも次々と誕生しているという。

このほか、屋外広告(0.5%増・3188億円)や交通広告(0.5%減・2044億円)では、インバウンドを狙った取り組みも追い風に。屋外ビジョンでは観光庁による出稿が増加したほか、外国人観光客の増加が見込める空港も伸長した。また、フリーマガジン(0.7%増・1573億円)では、特に旅行やホテル、自動車の出稿が増加し、フリーペーパー(3.2%減・730億円)では、エリアマーケティングの一手法として地域版を活用する動きもあったという。

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