観光庁が発表した主要旅行業者50社の旅行取扱状況速報によると、2016年6月の総取扱額合計は前年比2.2%減の4329億250万円。そのうち海外旅行は5.1%減の1612億6394万円、外国人旅行は26.7%増の152億8574万円、国内旅行は1.7%減の2563億5281万円。対前年比は前月よりやや持ち直したものの、総取扱額合計は2カ月連続で前年割れ。外国人旅行は3カ月ぶりで2割増を超えた。
海外旅行の取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。6月は上位5社(JTBグループ15社、H.I.S.グループ5社、阪急交通社グループ3社、KNT-CTグループ8社、日本旅行)のうちH.I.S.のみが前年比増を記録。3月以来3カ月ぶりで上位5社/グループすべての取扱額が100億円超となった。
外国人による訪日旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。上位5社(JTBグループ15社、日本旅行、KNT-CTグループ8社、H.I.S.グループ5社、楽天)のうち、KNT-CTは前年比54.8%増の大幅な伸びでHISを抜いて4位から3位にランクアップ。同時に56.6%増の楽天が5位に浮上。前月5位の東武トップツアーズは6位にランクダウンした。
国内旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。上位5社(JTBグループ15社、楽天、KNT-CTグループ8社、日本旅行、ANAセールス)のうち、楽天のみが前年比プラスを記録。その他4社/グループは前月に続きマイナス遷移で継続した。
旅行商品ブランド全体の取り扱い状況
2016年6月の旅行商品ブランド(募集型企画旅行)は、総取扱額が前年比4.2%減の1126億9841万円、取扱人数合計は5.6%減の258万4786人。いずれも2ケタ減となった前月から改善傾向がみられた。
そのうち、海外旅行は取扱額が前年比4.6%減の448億7798万円で前年割れだった一方、取扱人数は4.3%増の22万1769人。単価の減少傾向が特にうかがい知れる結果に。外国人旅行の取扱額は7.5%増の5億6810万円、取扱人数は16.9%増の3万6934人。国内旅行の取扱額は4.0%減の672億5232万円、取扱人数は6.7%減の232万6083人となっている。
方面別の全体傾向
旅行会社へのヒアリングによれば、2016年6月の海外旅行は国際情勢に対する不安などの影響で需要落ち込みが継続。欧州方面を中心に前年割れがみられた。外国人旅行は、引き続き東アジアや東南アジアなどを中心に好調に推移。国内旅行は東北などでは好調だったものの、熊本地震の影響やなどが要因となり需要が縮小。取扱高が前年割れとなった。