JR西日本とタビナカ予約「Klook(クルック)」が連携、訪日客向け「鉄道パス+タビナカ商品」を電子チケット方式で販売

西日本旅客鉄道(JR西日本)とタビナカ予約プラットフォームのクルック(Klook)が、関西・広島エリアへのインバウンド旅行者誘致で連携する。2019年9月12日から、JR西日本のレールパスとユニバーサルスタジオ(USJ)、あべのハルカス展望台など、人気観光スポットを組み合わせたセット商品を訪日外国人客向けに販売開始した。

レールパスとのセット商品内容は、計10種類。京都鉄道博物館の入場券、京町家を改修したキャビンスタイルホテルの宿泊、小豆島日帰りツアー、広島世界遺産定期観光バスツアーなどと組み合わせた。JR西日本では、状況を見つつ、商品の種類や対象エリアをさらに拡充したい考えだ。

連携を発表した記者会見では、JR西日本の室博・執行役員営業本部長が「訪日インバウンド市場における西日本エリアの認知度はまだ小さい。JR西日本では、これまで東南アジア市場向けPRなどは実施してきたが、今回は観光素材の開発や海外向け販売まで手掛ける。クルックの力を借りて共同プロモーションを実施することで、関西エリアへの誘客拡大と情報発信を目指す」と意欲を示した。

JR西日本の室博・執行役員営業本部長

また販売方法では、電子チケット方式を採用。利用者がウェブサイトやアプリで予約・決済した後、メールで引換証を送付し、ここに専用のQRコードを付与する。利用者は日本到着後、このQRコードとICチップ付きパスポートを、JR西日本の各駅に設置された「みどりの券売機」にかざし、レールパスと引き換える仕組みだ。

従来の方法では、日本到着後、引換証でレールパスを受け取るためには「みどりの窓口」に並ぶ必要があった。このため、大きなスーツケースをかかえて長い列に並ぶこともあり、訪日外客の間で不評だった。

クルックのイーサン・リン共同創業者兼CEO(最高経営責任者)は「JR西日本は、関西圏での事業展開において重要なパートナー。またデジタイゼーションの深度、スケールの大きさなどの観点からも、今回の提携は、当社にとって大きなマイルストーン」と話した。

クルックのイーサン・リン共同創業者兼CEO(最高経営責任者)

クルックが取り扱う訪日客数は、前年比3桁増で拡大しており、その中心はモバイル利用になれたミレニアル世代。月間ユーザー数は世界全体で3000万人、このうちモバイル利用率は全体の75%を占めている。

また同社データによると、2018~2019年8月までの一年間で、京都、奈良、神戸など西日本エリアの人気観光地におけるアクティビティ予約数は倍増。交通手段としては、鉄道が好まれる傾向が出ており、同期間の鉄道サービス予約は5倍以上の伸びを示したという。

今回の連携に伴い、クルックでは同社サイト内に特別キャンペーン「Explore West Japan」ページを開設、JR西日本のレールパスとのセット商品を今年12月31日までの期間限定で、10%割引のキャンペーン価格で販売する。価格設定は、JR西日本の各種レールパスと観光素材を単品で組み合わせた場合より割安に設定しているが、キャンペーン期間中は、これをさらに10%オフで提供する。

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