日本政府観光局(JNTO)によると、2019年8月の訪日外国人数(推計値)は、前年比2.2%減の252万100万人となった。訪日外国旅行者の数が前年を下回るのは、台風や北海道胆振東部地震が影響した2018年9月以来、11か月ぶりのこと。
市場別でみると、前年割れとなったのは、韓国、香港、マレーシアの3市場のみ。特に韓国は、48.0%減の30万8700人(28万8241人減)とほぼ半減となっており、日韓情勢が訪日外客数の前年割れに大きく影響した。このほか、大規模市民デモが発生した香港が4.0%減の19万300人、マレーシアは1.7%減の1万9800人、インドネシアが7.3%減の1万6200人と減少が目立った。
一方、中国は16.3%増の100万600人で、7月に続き、単月で100万人を超えた。中国に次いで大きい市場だった韓国が半減したことで、中国の訪日市場に占めるシェアはほぼ4割にまで高まった。
このほか、ベトナム(27.7%増の4万3700)やフィリピン(27.5%増の3万1500人)など2ケタ増で伸びる市場も多く、欧米とアジアを中心に16市場で8月の過去最高を記録。このうちスペインは3.8%増の2万人で、単月として過去最高となった。
JNTOでは昨今の世界情勢や旅行先の多様化を踏まえ、市場動向を綿密に分析しながらプロモーションに取り組む方針としている。
訪日外国人数の月次推移と市場別の数値は以下のとおり。