エクスペディアホールディングスは、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行で旅行キャンセルが発生する中、世界各国の宿泊施設に対するサポートを開始した。
エクスペディアが行なうのは、2003年のSARSなど、過去の教訓をもとに、事態収束時の迅速な事業の立て直しに向けた準備への支援。エクスペディアホールディングス代表取締役のマイケル・ダイクス氏は、「私どもができるのは、過去の大規模な感染症拡大時の回復パターンを分析し、マーケットの多様化を進め、デジタル技術を活用して回復の土台を構築すること」とのコメントを発表した。
今回、エクスペディアがアドバイスするのは、需要の取り込みに向けた短期的・長期的の観点での3の取り組み。
短期的には、顕在化されている需要の獲得として、国内旅行への対応を提案。国内旅行者の獲得を期待する宿泊施設には、その機会を見つけるためにも、エクスペディアのパートナー向けツール一式やデータ分析の活用も可能だとする。
一方、長期的観点では、事態収束時に回復する旅行需要を多様な地域から獲得するための準備を推奨。同社の2019年の予約データでは、日本への旅行者数は最大国の米国を筆頭に、アジア太平洋地域以外の欧米豪で2ケタ成長を遂げた市場が多かったことを紹介し、日本の宿泊施設に対して、データを活用して国内外旅行者の季節別の動向を把握し、一か国からの需要に依存しない多角的な戦略を検討する重要性を強調した。
さらに、こうした戦略をとるためにも、宿泊施設に対してデジタルスキルを向上させることを提案。同社では、宿泊施設向けに提供している分析機能などの各種オンラインツールを、従業員が活用するためのサポートを用意していることを紹介し、宿泊施設に収束後を見据えた行動と世界の人々が再び旅行をするための準備を呼びかけた。