日本旅行業協会(JATA)がまとめた「旅行業経営分析2013」によると、調査に協力した第1種旅行業者196社の2011年度における取扱高営業利益率は平均0.53%となり、9年ぶりのマイナスに転落した10年度から大幅に改善した。21~50人、301~501人、1001人以上の規模の企業グループがけん引。09年度比でも0.25ポイント上昇した。海外旅行部門が取扱額・粗利益ともに伸び、業績の好転に貢献したようだ。
従業員一人当たりの営業利益は60万円で、10年度(44万円の赤字)より大きく上昇、09年度比でも34万円上回った。一方、一人当たりの取扱高は1億1294万円と、前年度より3.2%減少。営業収入(粗利益)も20.1%減の1197万円と落ち込んだものの、営業費が26.3%減の1136万円と縮小した。人件費は5.1%増の554万円。営業費に占める人件費の割合である営業費構成人件費率は、前年度比14.5ポイント増の48.7%となり、47.9%だった09年度とほぼ同水準となった。近年ではインターネット販売へのシフトや、高単価商品の増強、総合販売の大型店舗から少人数や専門特化型店舗への改編など、「営業の効率化」へ向けて流通の見直しを行う旅行会社の動きが進んでいるが、その傾向がさらに強まっているようだ。
11年度は取扱額の構成比率の変化も際立つ。海外旅行の取扱額は全体の44.7%、粗利益が全体の47.6%で、10年度より取扱額で2.8ポイント、粗利益で8.3ポイント上昇した。規模別でみると、海外旅行取扱額構成比率が最も高いのは501~1001人規模のグループだった。一方、国内旅行は取扱額で全体の50.6%で前年度より6.2ポイント減。粗利益は47.0%で11.6ポイント下降した。また、外国人旅行は取扱額で4.70%、前年度より3.44ポイント上昇、粗利益は47.6%で、3.28ポイント上昇した。