国交省、クルーズ寄港の「お断りゼロ」でマッチングサービス開始、クルーズ振興室を新設

国土交通省は2016年4月1日、港湾局産業港湾課に「クルーズ振興室」を新設した。先日決定した2020年の訪日クルーズ旅客500万人の新たな目標に向け、クルーズ船の誘致や受入環境の改善に取り組む。

この新部局で同日から、クルーズ船社に対する「クルーズ船寄港地マッチングサービス」を開始する。これは目標達成に向け、クルーズ船寄港の「お断りゼロ」を実現するための取り組みの第一弾。現在、クルーズ船の日本寄港は2015年度に前年比約5割増の965回と急増しており、西日本を中心に希望日に予約が取りにくい港湾も生じている。このため同サービスにより、寄港地を探すクルーズ船社と港湾管理者(自治体)のマッチングを推進する。

具体的には同部局がワンストップ窓口となり、クルーズ船社の問い合わせに応じて全国116自治体が参加する全国クルーズ活性化会議の事前情報から、港湾を紹介。希望する港湾の予約が取れなかった場合、希望に見合うようなその他の寄港可能な港湾を紹介していく。


日本各地を幅広いクルーズデスティネーションに

2020年に訪日クルーズ旅客500万人の目標は、新たな訪日外国人の目標が設定された2016年3月30日の「明日の日本を支える観光ビジョン」で設定されたもの。ここではクルーズの目指すべき将来像として、北東アジア海域をカリブ海の様な世界的なクルーズ市場に成長させ、クルーズ船寄港を活かした地方創生を図ることが盛り込まれた。

そのため、今後は今回の寄港「お断りゼロ」の実現とともに、国際クルーズの拠点形成や、瀬戸内海・南西諸島などの新たなクルーズ周遊ルート開拓、ラグジュアリークルーズの就航、新たなクルーズビジネスの確立、寄港地の全国展開に向けたプロモーションなどに取り組んでいく。

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