世界の旅行リーダーが「未来の旅行」を議論、ミレニアル世代の変化からオンライン旅行の次のカギまで -スキフト世界フォーラム

米国の観光産業の專門ニュースメディア「skift(スキフト)」による国際カンファレンス「スキフト世界フォーラム」が2016年9月27日、米国ニューヨークで開催された。

今回のテーマは「未来の旅行を定義する」で、観光産業マーケティングの最新トレンドや分析について、合計2日間にわたり42セッションで討議。登壇者はエクスペディア社CEOや、先週スターウッド買収で世界最大のホテル企業となったばかりのマリオット社CEOなど、各分野のリーダー60名。参加者は41ヶ国から1050名を超え、過去最多となった。

オープニングではスキフト社のラファト・アリCEOが登壇し、過去15年間の産業別推移グラフを示しながら「トラベル」こそが世界で最大の産業分野であり、観光産業に携わる関係者が自らその自負を持つことの大切さを語った。

スキフト社のラファト・アリCEO

ミレニアル世代は「ミレニアル家族」の時代に

今回のカンファレンスでは、まず複数のセッションで再び「ミレニアル世代」に注目していたのが目を引いた。

かつて2000年以降に成人を迎えたミレニアル世代は、それ以前の世代と異なる価値観や特性で注目を集めたが、その彼らも今では上の層は35歳に達する。そこでミレニアル世代の結婚による「ミレニアル・ファミリー」や、「ミレニアル・カップル」の存在に対しての分析が示された。


米MMGYグローバル社のクレイトン・レイドCEOは、米国の人口の4分の一を占めるミレニアル世代の、最近の旅行や休暇に関する考え方の特徴を挙げた。

具体的には、向こう12ヶ月間で休暇に費やす予算は、ミレニアル・カップルで3534ドル、ミレニアル・ファミリーで6113ドルである一方、過去12ヶ月で少なくとも1回以上「ステイフィケーション」(滞在の「stay」と休暇の「vacation」を合わせた造語で、休暇期間中に、わざわざリゾート旅行に出るのではなく、自分が住んでいる地域で、バケーション気分を楽しむという考え方)をしたことがあるのは、ミレニアル・カップルで15%、ミレニアム・ファミリーでは43%に上ることを指摘した。

また他方、この世代はオンライン旅行会社(OTA)を逆に「ショールーム」として使い、実際には有人店舗を使う傾向が他の年齢層よりも多い傾向があることも挙げた。

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未来の旅行のカギは「音声」技術

またパネルディスカッション「オンライン旅行の20年目」では、エクスペディア創業者やプライスライン創業者、現エクスペディアCEOなどの豪華メンバーが登壇し、これまでのオンライン旅行とこれからの方向について討議した。いくつかの議論の中でも、「今後はさらにスマホ中心主義の世界になっていくことは間違いない」という意見は一致していて、そのうえで「音声による検索や旅行支援が次のガギになるだろう」という討論が交わされた。

エクスペディア創業者やプライスライン創業者、現エクスペディアCEO等が登壇ws000004

トラベルボイスCEO 鶴本浩司

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