JTB総合研究所はこのほど、中国人を対象にした「日本へのクルーズ旅行」に関する意識調査をおこなった。それによると、日本へのクルーズ旅行経験者は全体の46.0%。1年以内の旅行では、上海、北京、広州など沿岸部居住者の21.6%がクルーズを利用した一方、成都、重慶、長沙などの内陸部では33.7%に至る結果に。3年より前には沿岸部のクルーズ旅行者のほうが多かった(内陸部3.9%、沿岸部6.1%)状況と比較すると、昨今では内陸部までクルーズ旅行の人気が浸透している様子がわかる。
中国人による訪日クルーズ旅行経験の状況は以下のとおり。
また、クルーズ旅行経験者の年収をみると、「60万元(約1200万円)以上」が22.2%、「24~60万元未満(約480万円~1200万円未満)」が45.2%。格安旅行というイメージがあるクルーズだが、利用者の世帯年収は比較的高いことが判明した。
クルーズ旅行経験者による印象では、「日本国内を短時間で効率よく観光ができた」(34.2%)、「船内で開かれた即売会での買い物を楽しめた」(31.8%)、「食事、宿泊などがすべて含まれていて安心」(30.7%)などの回答が3割以上を占める。また、特に沿岸部居住者は「1回の旅行で国内の都市・日本・韓国や台湾など複数の旅行地をまわることができお得」「飛行機での旅行よりも関税等の手続きが簡易だった」とする回答が、内陸部居住者よりも多い傾向となった。出港地では、上海が全体の44.1%を占めた一方、内陸部からの旅行では大連港や青島港の利用が比較的多かった。
クルーズでの日本旅行の印象は以下のとおり。
なお、日本へのクルーズ旅行経験者のうち約7割が「またクルーズを利用したい」(68.2%)と回答。一方で「クルーズ以外の方法で日本に行きたい」(41.9%)旅行者も一定数存在することが判明。「日本以外の国・地域へのクルーズ旅行もしてみたい」は約2割(21.4%)だった。
この調査は、中国人男女1969名に対するスクリーニング調査を経て、3年以内に日本旅行を計画している1000名を抽出して実施した結果にもとづくもの。そのうちクルーズ経験者は365名。対象とする居住地は、沿岸部(上海、北京、広州、深圳、福州、大連、瀋陽)と内陸部(成都、重慶、長沙、西安、合肥、鄭州)。世帯年収は12万元(約240万円)以上。調査期間は2016年9月9日から14日まで。
※編集部注:同記事では、発表資料にもとづき、1元を約20円として計算しています。