京都文化交流コンベンションビューローは、2017年9月16日~21日に国立京都国際会館で行なわれた「第23回世界神経学会議」について、開催による域内消費効果が21億3000万円になったとの算出結果を発表した。
会議主催者からは当初の総参加者数は5000人とされていたが、実際の参加者数は予定の1.7倍となる8641名と大幅に増加。これは京都で開催された国際会議のうち、この10年間では最大、それ以前を含めても3番目に大きい規模になったという。
予定より参加総数が増えた理由は、京都への評価や期待が高まったため。参加者に占める外国人比率は41%で、9月連休後の宿泊稼働が落ち込む時期に外国人参加者による大規模な連泊宿泊需要が、観光業界をはじめ市内で大きな経済効果を生み出したとする。さらにエクスカーションでは、宇治などの京都府域に加え、大阪、奈良、神戸など近畿圏へのツアーも多数設定し、広範囲の経済効果を創出した。消費効果は1人当たり、25万円に相当する。
このほか、レセプションや付帯イベントでは、平安神宮や世界遺産の醍醐寺などの歴史的建造物を活用したユニークベニューでの大規模パーティを開催。さらに、京都市交通局が京都でのコンベンションを対象に販売する「コンベンションパス」で環境負荷の少ない公共交通機関の利用を促すなど、京都市や同財団によるMICE開催支援メニューも活用された。
なお、参加者の京都市内泊率や宿泊単価等は、「平成25年度京都市におけるMICE実態調査」を参照して算出。消費効果の内訳は、個人消費額(会議参加に関する費用以外)は外国人が8億2900万円、日本人が4億9000万円、事業費等が8億1100万円。個人消費額を外国人、日本人で比較するため、参加人数で割ってみると、外国人は1人当たり23万4844円、日本人は9万5871円。外国人参加者は日本人の約2.5倍の消費を生み出したことになる。