サウジアラビアで開発が進む未来都市プロジェクト「NEOM(ネオム)」は、東京で「Discover NEOM」イベントを開催した。認知向上と投資の呼び込みを目的に世界の主要都市をめぐるツアーの一環で、日本では経済産業省、日本貿易振興機構(JETRO)、中東協力センター(JCCME)が協力して実施された。
NEOMは、サウジアラビア北西部の紅海に面した地域で進められている都市開発プロジェクト。2017年からムハンマド・ビン・サルマン皇太子のビジョンとして、サウジアラビアの国家戦略である「VISION 2030」における最重要プロジェクトのひとつとして位置付けられている。
総面積は2万6500平方キロ、ベルギーと同規模の地域をいくつかのエリアに分けて開発が進められている。2024年には第一弾となる「シンダラー」が完成し、3軒の高級リゾートホテルが開業する予定だ。2026年には、スキーリゾートとして「トロジェナ」が開業予定で、2029年には冬季アジア競技大会が開催される。また、幅200メートル、距離170キロにわたる直線上に約900万人が居住する直線状の都市「ザ・ライン」は最初のモジュールが2027年に開業する予定だ。
2030年には完成形として、港、企業ゾーン、研究センター、スポーツ・娯楽施設、観光地などが整備されるほか、起業家、ビジネスリーダー、企業がNEOM に集まり、新技術や新事業の研究、インキュベーション、商業化などを進めるイノベーション拠点とする計画。
NEOM のラヤン・フェイズ デピュティCEO は「NEOMは、モビリティ、メディア、金融、IT、クリーンエネルギーなど日本が得意とする分野や産業における投資機会に繋がる可能性がある。またも2050年のカーボンニュートラル達成を目指す日本のグリーン成⾧戦略とNEOMとの相乗効果にも期待がかかる」とコメントしている。