KDDIは2017年2月7日、高級宿泊予約「リラックス(Relux)」を運営するロコ・パートナーズ(Loco Partners)の完全子会社化を発表した。2017年2月末をめどに過半数の株式取得をおこなう予定。株式の取得価格や株数については非公開。ロコ・パートナーズ広報によると、篠塚孝哉CEOを筆頭とした経営陣については現状維持。KDDIの子会社となることで、世界のオンライン旅行業の競合と戦うプロダクトとして「Relux」を強化していく方針だという。
ロコ・パートナーズの設立は2011年9月。一流旅館・ホテル予約に特化したサービス「Relux」を運営し、サービス開始から3年間で会員数は65万人に増加。2016年12月には多言語版アプリも提供開始し、インバウンド向けサービスも強化してきた。
転機となったのは、2016年4月。この時、ロコ・パートナーズはKDDIファンドの第三者割当増資で5億円の資本調達を実施。それまでの同社実績では、会員の約8割がスマートフォンからの利用だったことからauのスマートフォン利用者向けの旅行サービスを拡充、広範な業務提携を推進していくとしていた。その後、協業を進める中で、昨年末に今回のKDDI子会社化が決まったという。
2017年に入り、台湾の金融機関との連携や中国の民泊仲介サービス最大手「tujia(途家)」との業務提携も発表。活発な拡大戦略を図ってきた。同社広報によると、KDDI傘下に入ることでKDDI会員へのアプローチや同社開発力の共有に期待。世界で競合がひしめくオンライン旅行業界で戦うプロダクトへの成長させることを目指し、さらなる拡大を狙う。
KDDIはこれまでに「au WALLET」「au WALLET Market」などによる決済・物品販売事業を展開。今回、ロコ・パートナーズの宿泊予約事業を傘下に置くことで、au経済圏の拡大につなげる考えだ。
関連記事>> 2014年の篠塚代表へのインタビュー