政府の観光需要喚起策「GoToトラベル」事業が2020年12月28日から2021年1月11日まで全国一斉に一時停止になることを受け、国は、今回の措置でキャンセルされた参加事業者に対する補てんを、旅行代金の一律50%、上限2万円に引き上げる。赤羽一嘉国土交通大臣が12月15日開いた会見で明らかにした。
これまで大阪市や札幌市への制度の一時停止の際には旅行代金の上限35%を補償していたが、赤羽大臣は「コロナ禍で苦境に陥っている観光関連事業者にとって、年末年始は最大の書き入れ時。すでに予約も相当入り、対応する人員も手当てされている。事業者への負担を軽減するため従来より手厚い支援を行う」などと述べた。補てんにはGoToトラベル事業の予算をあてる。また、各地方運輸局に窓口を設け、資金繰り、雇用維持の相談に応じる体制を整える。
全国、4都市のGoTo停止に向けたスケジュール
なお、GoToトラベル事務局も、政府の方針を受けて、新規予約・既存予約の取り扱いやキャンセル料の詳細に関する詳細を発表。これによると、新型コロナウイルス感染拡大が顕著な札幌市、大阪市、名古屋市、東京都の4都市の新規予約について、札幌市、大阪市、名古屋市を目的地とする旅行の新規予約は12月14日から「GoToトラベル」の適用を一時停止。東京都を目的地とする新規予約は12月18日から一時停止とする。4都市を目的地とする既存予約については一定の周知期間が必要とみて、12月22日から27日の出発分に対する適用を一時停止する。
また、4都市に居住する人の旅行については、札幌市、大阪市、名古屋市が12月14日から、東京都は12月18日から事業を利用した旅行を控えるよう呼びかけた。全国の一斉停止を含む適用除外や利用自粛要請によるキャンセルは12月24日まで無料で可能となるため、政府は早めの手続きを呼びかけている。