アマゾンが始めた航空券予約サービス、最初にインド市場を選んだ意味を考えてみた【外電】

2019年5月、アマゾンがインドで航空券の予約サービスを開始したというビッグニュースが業界を駆け巡った。同社が2014年に実施したホテル事業は不運な結果に終わっていたため、その後ずっと、旅行業界への再参入が期待されていた。旅行調査会社「フォーカスライト」のレポートによれば、現在の世界の旅行市場規模は1.5兆ドル。旅行市場は極めて巨大であり、「消費者の買い物ニーズのAからZまでを満たす」というアマゾンのミッションにもぴったり合っている。

しかし、アマゾンがインドで航空券予約事業に参入したことについては大きな疑問が残る。なぜ、インドを選んだのか。これは、「大手OTAサイト」を目指すアマゾンによる戦略なのだろうか――?

インドは、オンライン旅行業や一般のEコマース、電子決済分野に関して、世界の大手市場とは大きな違いがある。例えば、インドは他国と比べてデジタル決済の利用率やクレジットカードの普及率が低い。そのため、旅行予約ではオフライン販売の割合が非常に高いのだ。

こうした背景を考えると、フライト予約から始まる旅行商品の販売は、インドの現地Eコマース大手に対する競争力をもつために必要なステップだといえる。そしてアマゾンは、同じくインドでの急成長を目指すOTA「クリアトリップ(Cleartrip)」という現地パートナーに恵まれた。

多くのビジネスがデジタルチャネルでの展開に移行していくに従い、インドのオンライン旅行業界も徐々に成熟に近づいている。フォーカスライトの調査では、オンライン旅行の総予約数は2022年までに2ケタ増の成長を見せ、その伸び率は旅行市場全体の値を上回るとの見通しだ。

そのとき、アマゾンはどのような立ち位置にいるのか、興味深くみていきたい。

アマゾンの画面イメージ

インドにおけるオンライン旅行業に関する調査資料は以下から入手できる(有料)。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスライト(Phocuswright)」に掲載された英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

原文:Why Amazon's Flight Launch in India Doesn't Mean That Amazon Is the Next Big Global OTA

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