旅行・宿泊業の新たな法人設立が急増、2023年は4年ぶりに1500社超え、コロナ禍から反転 ―東京商工リサーチ

東京商工リサーチはこのほど、2023年の旅行業と宿泊業の法人設立が急増していた結果を示すレポートを発表した。国内旅行、インバウンドの好調が寄与したもので、2023年に設立された旅行・宿泊業の法人(新設法人)は前年比59%増の1560社。コロナ以前、2019年の1621社には届かなかったが、4年ぶりに1500社を超え、直近10年間では2番目に多い状況だった。同調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約400万社)から、2023年に設立された法人のうち、旅行業と宿泊業の全法人を抽出、分析したもの。

発表資料より

旅行業は直近10年間で過去最高、地域格差広がる

このうち、旅行業は前年から約2倍の520社。2019年の477社を上回り、直近10年間で過去最高を更新した。とりわけ、東京都(176社)、大阪府(78社)、北海道(30社)、沖縄県(19社)などと、人口の多い大都市圏、国内外に人気の観光地での法人設立が目立った。一方、山形県、栃木県、和歌山県、鳥取県、山口県の5県は旅行業の設立がなかった。

スノーリゾートの注目度上がり、宿泊業にも変化

一方、宿泊業も前年比46.8%増の1040社で、4年ぶりに1000社台に乗せた。都道府県別で最多は東京都の296社で、大阪府116社、北海道55社、長野県52社、沖縄県49社が続き、47都道府県すべてで新設法人が誕生した。大都市圏以外では、外国人観光客に人気の高いスノーリゾートの北海道や長野県で新設法人が多く、東京商工リサーチは「観光庁が2020年度からスノーリゾート形成促進事業として、国際競争力の高いスノーリゾート形成に向けて取り組む地域を支援していることも背景にある」と分析した。

また、登記上、本社を東京都など大都市に置き、地方で宿泊施設運営の新設法人も散見された。同社は「地域に偏りなく、観光需要を取り込めるか新設法人は真価を問われている」などと指摘している。

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