国際的な市場調査会社ユーロモニターインターナショナルはこのほど、「2024年トップ100都市デスティネーション・インデックス(Top 100 City Destinations Index 2024)」レポートを発表した。世界の100都市を観光に関する6つの主要分野(経済・ビジネスの実績、観光パフォーマンス、観光政策と魅力度、観光インフラ、衛生・安全、持続可能性)を、合計55の指標を用いて比較し、観光都市としての魅力を総合評価している恒例の調査。
それによると、2024年に世界で最も魅力的な観光都市であると評価されたのは、4年連続でパリ。東京は2022年の20位から2023年には一気に4位まで順位を上げ、2024年は3位と初のトップ3入りを果たした。2025大阪・関西万博を控える大阪は2023年と同じく16位。そのほか、京都が27位、福岡が64位、札幌が65位だった。
同社は3位の東京について、「東京は継続する円安の影響を受け、一層手ごろな価格と優れたインフラを提供できるMICEイベントの開催地として人気が高まり、海外出張の機会を活用して延泊して観光する「ブレジャー」も増えた。レジャー目的の旅行も活況だ」などとコメントしている。また、東京はサステナビリティ、観光政策と魅力度のポイントが1位のパリ、2位のマドリッドに比べ高かった。
また、依然として欧州が人気で、2024年の世界のおける海外旅行者数が前年比19%増と好調に推移するなか、欧州目的の海外旅行者数は全体の約半分を占める7億9300回に上ったという。トップ20のうち欧州からはパリ、マドリッド、ローマ、ミラノ、アムステルダム、バルセロナ、ロンドン、ベルリンがランクインした。
インバウンド客数が多い都市はバンコクがコロナ前の水準を上回る前年比37%増の3240万人でトップ。イスタンブールが同14%増の2300万人、ロンドンが同7%増の2170万人で続いた。東京は12位だった。
こうした結果を受け、同社ロイヤリティ調査部門長のナデジャ・ポポバ氏は、「観光業の回復の見通しは明るいが、労働力不足、地政学的な緊張、景気低迷といった課題が依然として残っているのに加え、オーバーツーリズムの懸念に対応するため、観光税の引き上げ、生成AI技術の活用が継続されるだろう」との見解を示した。
2024年トップ20観光都市ランキングは以下のとおり(カッコ内は前年順位)。
- パリ(1)
- マドリッド(3)
- 東京(4)
- ローマ(7)
- ミラノ(13)
- ニューヨーク(8)
- アムステルダム(5)
- シドニー(22)
- シンガポール(11)
- バルセロナ(9)
- 台北(28)
- ソウル(14)
- ロンドン(10)
- ドバイ(2)
- ベルリン(6)
- 大阪(16)
- バンコク(33)
- ロサンゼルス(19)
- イスタンブール(23)
- メルボルン(24)